絵柄残りやエッジマークといった課題を大幅改善
UVオフセット印刷用「バルカン・パックUV」

清水印刷紙工株式会社 様 導入事例

清水印刷紙工株式会社 様

UVオフセット印刷で高品質を求めるには、新設備の導入やオペレーターの能力を磨くなどさまざまな取り組みが必要です。そのUVオフセット印刷でチャレンジを続ける清水印刷紙工株式会社(東京都文京区音羽2-1-20、清水宏和社長)では、印刷品質に大きくかかわるブランケットにガデリウスの「バルカン・パックUV」を導入し、自社が抱えていた大きな課題を克服したそうです。群馬工場を訪問し製造本部の岩井平 本部長兼工場長にお話を聞き、同社の取り組みを紹介します。


UVオフセットで特殊原反に印刷

清水印刷紙工は1935年(昭和10年)、東京都文京区音羽で創業。文京区という場所柄、出版関係の企業との取引が多く、ブックケースや書籍の帯を印刷する仕事を中心に事業を拡大してきました。同社は2001年に初めてUVオフセット印刷機を導入。UVオフセット印刷はそれまでの油性インキによる印刷と異なり、紙以外のさまざまな素材へ印刷可能になったことから、フィルムや蒸着紙など特殊原反への印刷が本格化しました。

8年前には群馬県邑楽郡邑楽町(おうらまち)に群馬工場を開設。これを機に、同社はさらに特殊原反を使った包装関連の印刷物にシフトしていきました。主な用途は化粧品や日用品の外箱などで、これらは商品PRのために高い美粧性が求められます。

清水印刷紙工では印刷から後加工(抜き、組み立て)、商品の封入までを一貫してでき、クライアントは商品包装のすべてを委託できることから、大きな信頼を得ているのです。
現在、UVオフセット印刷機の主力はマンローランドの10色機「ROLAND700」。10色のユニットによるワンパス印刷により、PPやPET、蒸着紙、ユポなどの特殊原反に美しく微細な印刷が可能で、非常に生産能力も高い印刷機です。

清水印刷紙工株式会社 様 導入事例清水印刷紙工製造本部の岩井平本部長兼工場長

ブランケットのインキ残りという課題

「当社のUVオフセット印刷は数年前まで、ブランケットに課題を抱えていました」と岩井氏は振り返ります。 その課題とは直前のジョブで使用した絵柄がブランケットに残ってしまい、次の絵柄に前の絵柄が印刷障害となってでてくる絵柄残りの問題。また厚紙や特殊原反の印刷が多いため、エッジマーク(紙跡)による交換が多かったことです。

このため、1ジョブごとにブランケットの交換をするケースもありました。ブランケット1つの交換にかかる時間は5分ほどですが、10ユニットすべてを使う仕事であれば、1時間以上のダウンタイムになることもありました。1日20ジョブほどの仕事がある同社ではかなりの負担。また、本機校正することも多いので、5枚程度という極少量印刷でのブランケット替えもありました。オペレーターのストレスは大きく、生産性の低下やブランケットのコスト負担が大きな課題でした。

「バルカン・パックUV」導入で一気に改善

清水印刷紙工株式会社 様 導入事例 ベタの品質が高い「バルカン・パックUV」(左)。右は他社製品

そこで2年前に提案があったのが、ガデリウスのブランケット「バルカン・パックUV」。
岩井氏「バルカン・パックUVを導入してから絵柄残りによる交換はなくなりました。また紙幅の変更による紙あとによる交換も少なくなり、10万通し以上は常に使用できています。さらにもう一つの問題であった黄色がくすむバックトラッピング(逆トラ)が無くなったことも偶然ではないと思います。もちろん、2年間かけてさまざまな対策をしてきた現場の功績も大きいと感じています」

さらに高品質なUVオフセット印刷に

ブランケットは「インキの着肉性を高めながら、ドットゲイン(網点の太り)を抑制する」という、相反する条件を満たさなければなりません。こういった問題も「バルカン・パックUV」を採用することで、大幅な改善を見せました。
また、ベタの乗りが非常に良いため、白インキの隠ぺい性が高く、透明フィルムでは裏写りせず、カラーを引き立てる効果が高まりました。黒ベタもより深く、高級感があり、高付加価値商品に適した仕上がりを提供できます。
清水印刷紙工の版で採用しているFMスクリーニングは、網点のサイズが最小で10㎛。これは一般的なFM版の約2倍の細かさにあたります。日本のオフセット枚葉印刷で印刷色の標準となる「Japan Color認証」の取得でもわかるとおり、印刷品質は極めて高いものです。

唯一無二の技術へ資材メーカーと協力

清水印刷紙工株式会社 様 導入事例美しい仕上がりの同社のクリアファイル(蒸着紙を使用)

岩井氏は「当社のクライアントは、化粧品やヘアケア製品など、印刷に高い品質を求める企業が多いのですが、その要求を満足させられる品質を安定して提供できる体制が整いました。バルカン・パックUVは、性能的にもコスト的にも本当に満足しています」と製品を評価。クライアントの商品担当者やデザイナーを唸らせるようなレベルの高い製品を送り出し続けています。

さらに岩井氏は「当社はけっして大手ではないので、唯一無二の技術や製品が必要と考えています。また、新しいことが大好きで、チャレンジ精神が旺盛な会社でもあります。新しいことへの挑戦では時に失敗することもありますが、それも含めて楽しみながら、さまざまな資機材メーカーと協力しUVオフセット印刷の可能性を広げていければうれしいです」と今後の展望を語ってくれました。

ガデリウスはブランケットをはじめ、さらに新たな製品の提案で、多くの印刷・加工会社に貢献したいと考えています。


清水印刷紙工株式会社 様 導入事例

企業情報

会社名 清水印刷紙工株式会社
創業 1935年9月
代表取締役社長 清水宏和
従業員 36名
本社 〒112-0013 東京都文京区音羽2-1-20
tel:03-3941-7171 fax:03-3941-7125
URL:https://www.shzpp.co.jp/