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「持続可能な東京2040」中野区概要

このプロジェクトは居住区が区の面積の大半を占める中野区の環境やエネルギーシステムを再形成するものです。まずはシステム境界や主要な特徴を組み込んだ定性モデルをデザインし、次に私たちの考える2040年の中野区ビジョンに対するアイディアをまとめました。提案するアイディアは再生可能エネルギーの紹介などエネルギー関連が主なものですが、蓄電池の値下げや、区内へ「グリーンエリア」を設置するなどの社会福祉のありかたについても言及しています。

中野区がより持続可能な区となるために、私たちは自転車専用高速道路を紹介します。この自転車専用高速道路には太陽光パネルを設置した屋根を設けます。屋根は日陰を生み出し、また同時に電力も生み出します。そして2040年までに、車は所有するものではなくサービスとして使うものになるでしょう。現在多くの車両は化石燃料により動きますが、これは将来的には大きく変わることになると見込まれます。自動運転をする電気自動車による持続可能なカーシェアリングシステムがデザインされるでしょう。そして都市計画として、低層建物は大きなアパートビルへと改装されて建物の質が向上されます。また区にはグリーンエリア地域を増やします。室内の熱的快適性の低い建物が多い地域において、建物の質や性能の向上はこのプロジェクトの核となる部分です。

それぞれのシナリオに導入される主な新技術の価格動向を中心に、2040年の経済見通しも作成されました。私たちのアイディアを紹介するために、そしてまたそれらがどのような影響を及ぼすかを見るために、様々な仮定やエネルギーミックスを取り込んだ4つの異なるシナリオを開発しました。

  1. BAU "Business As Usual"(現状のまま)
  2. R&N "Renewable & Nuclear Future"(再生可能エネルギーと原子力発電を主に使う)
  3. 0-Nuclear "Zero Nuclear Policy"A Future without Nuclear(原子力発電利用を段階的にやめ、最終的には再生可能エネルギーをメインに用いる)
  4. O&S "The Ocean and the Sun" (原子力発電を段階的にやめる途中、海洋エネルギーと大規模なソーラー発電を新しいエネルギー源とする)

このプロジェクト全体はKPIのゴールを達成することを目的としていました。レポートの最後には当初の目標と比較した結果が示されています。それぞれのシナリオにおけるKPI目標値の達成は技術的にも、経済的にも現実的ではないことが証明されました。しかし現在の区の状況に比べれば、目を見張る改善が達成されています。

最後になりますが、今回のプロジェクトは時間が限られていたため手をかけることができなかった部分もあります。持続可能な中野区に向けて引き続き調査・検討を続けていくと、研究は非常に興味深いものになると思われます。

レポート全文はこちらからご覧いただけます。
持続可能な東京2040:中野区

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